構想 | |
レイアウト建設を決めた当初は、設置場所を自室の押入れとしてプランを練り始めました。 狭いスペースの中に単線エンドレス+αのローカルな風景をイメージしあれこれと・・。 時を同じくして息子がガンダムのプラモデルに凝ってまして、物置部屋をホビールームにしようか!? なんて冗談で言ったら以外にも家族の反対もなく、レイアウトもこの部屋に設置することとなりました。 犬のトイレや餌などがゴチャゴチャ有りますが、それらを跨ぐ形にすれば結構な物が作れるではありませんか? 早速プランの練り直しです。複線で6.7両の列車を走らせたいな!山あり谷あり立体交差、長い鉄橋、欲望は とどまる所を知りません。コピー用紙の裏にミミズが這ったようなラインを書いては消し、紙が破れては書き直し。 自分は昔から山間を突き進む鉄道が好きで、川沿いを行く列車やチョット高めの鉄橋を渡る車両、トンネルと橋と 山と川の絡み合った風景をレイアウトに取り込みたい思っています。 ですからプランを書くときもまずメインステージとなる高い橋の位置を決めて、その地点までのライン取りがなるべく 不自然とならないように悩みました。 季節設定は夏、カンカン照りの夏ではなく日差しが少し和らいできた夏。あるいは春かも知れません。 要するに茶色の景色よりは緑色の景色が好きなんですね。 以上をイメージしながら出来上がったプランが次のページで紹介するものです。 「部屋の半分にレイアウト、もう半分に作業台を置いて工具なども整理してホビールームだ」って息まいてましたが、 実際は部屋をほとんど占有する形で台枠を設置してしまったので作業台などありません。 製作着手しちゃってますが実は左半分の風景が真っ白です。 全然考えがまとまっていないのです。 作り始めれば考えがまとまるだろうと思っています。 |
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レイアウトプラン |
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複線エンドレスですが、途中からルートが分かれて単線になります。 三層になっていて中央の駅が二層目に位置しています。 図面の左上が山岳地帯で右下が街。つまり左上が高くて 右下に下がっていくイメージで地形を造形する予定です。 トンネルを抜けたら高い鉄橋。川沿いを行く列車。 山間部のこじんまりとした駅前の風景が表現したいと思っています。 左側のループ部は正直言ってどうしようか考えがまとまっていません。 他を作っているうちにイメージが沸けばいいのですが・・・。 |
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鉛筆書きのプランを元にCADを使って清書しました。 線路はユニトラックを使う予定なのである程度正確な数量を 把握するためと路盤などの切り出し図面が必要と考えたからです。 各種のユニトラックを作図しそれを並べて行きます。 一回りしてきて必ずしも綺麗に繋がるとは限りませんが 程度にもよりますが少々のズレは無視してもかまいません。 これは実際にレールを敷いてみて分かったことですが図面上 10mmぐらいズレていても繋がりました。 |
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台枠の製作 |
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レイアウトの大きさは1800X1800のL字型です。 レイアウトの下にいろいろなものを収納しなければならないので800mmの脚の上に製作することにしました。 枠組みをうまく作る自信がないのでDIY店で売っているウッドフェンスを利用することを思いつき、900X900という 都合のいいサイズのものがあるのでそれを3枚と脚用の角材を購入して帰りました。 手順としてはウッドフェンスに脚を金具と木ねじで固定それを3つ作る。 3つの脚付ウッドフェンスをL字に配置し金具と木ねじで結合してしまいます。フローリングが傷だらけになるのが いやのなので脚の裏面にはゴム板を貼り付けました。 |
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川が奥から手前に蛇行しながら突き抜ける予定なので川底がこのレイアウトでは一番低い位置となるわけですから、 先の台枠に角材を切断した駒を適当な間隔で貼り付けその上に4mmベニヤを敷き詰めて固定しました。 川となるところはカットしておきます。 これで40mmかさ上げされた路盤面が出来上がりましたのでこの上に線路を敷設していくことになります。 |
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路盤工事 |
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レールプランをCADで清書してあるので、それを元に路盤となるベニヤの切り出し用の図面を起こしました。 ユニトラックの幅が約25mmなので余裕を見て40幅とし、ベニヤにケガキを入れるに必要な寸法を入れてプリンターで出力。 それを見ながら定規とハンドメイドの紙テープコンパスでケガキます。 それからケガキに沿って引き回し鋸で切り出します。 平坦な部分が少ないプランとなっているので、このようにして切り出す路盤の数が多いため 途中でいい加減イヤになりジグソーを購入しました。 使い出すとその楽チンさが癖になりやめられません!! |
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ホームとなる部分は幅100、長さ900、厚さ12で反りのない板を買って来て、それにレールをスパイク固定しました。 先に切り出し澄みの路盤にもユニトラックをスパイクで固定します。それとは別に路盤を支える柱となる部材も適当な 木材から所要数用意しておきます。 勾配部はその柱の長さを10mm刻みで用意しました。各ユニトラック固定済み路盤を繋げながら、さらに路盤下に柱を 差込み線路をどんどん繋げて行きます。 勾配部の柱のピッチをはじめ200mmにしたのですが、これだと5%となり6両の165系がキツそうに登って行くので、 もう少し緩くしたほうが良いと判断し柱ピッチを250mmに修正しました。 250mmピッチといってもぴったり250mmに柱をセットすればいいかというとそうではないのです。柱がちょうど10mm の差で出来ていないのです。いくら定規で測ってカットしても加工時のズレや歪みが発生してしまいます。目視と真直ぐな 棒を置いてみてのチェックで綺麗な坂道になるように柱材の位置を微妙に調整しなければなりませんでした。 しかし、ユニトラック単線高架曲線部が計算上5%強の勾配となり、この部分の修正は事実上無理なので「他の部分を いくら改善したところで空回りだ」ということに後で気づいたのでした。 常に「全体がどうだ」と冷静になれないでいるとハマッテしまいます。 試運転し問題がないことを確認し木工用ボンドで路盤を固定します。 この段階でどうしても無理して繋がってる線路があるのでその箇所の前後を余分目にスパイクを外し一旦拘束を緩めて やってからスパイクを打ち直します。 この後は試運転と調整の繰り返し、渡り線での脱線事故が多発するので場所を変えたり、 あるジョイントを境に速度が落ちるのでフィーダーを追加したりして走行性能の安定化に努めます。 景色作っちゃうといじれないかも知れないですからね・・。 |
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山 |
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地形造形の芯材にはスタイロフォームを使いました。 DIY店で簡単に手に入ります。厚さは2cmのものが一番使い勝手が良いようです。 現物合せで切り出してゴム系ボンドで接着します。 GM製電化トンネルポータル上部には柵が成型されており、ココにかかる部分の塗装は 後では困難と判断し、あらかじめ茶色で着色しておきました。 |
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スタイロフォームを格子状に出来たら、プラスタークロスを貼って行きます。 説明書には「水に浸した後かぶせていく」とありますが、雑誌Nに紹介されている工法をとってみました。 袋から取り出したプラスタークロスを適宜カットし、スタイロの上にかぶせて行きます。 何もしないと滑り落ちるのでスパイクで適当に留めます。二枚重ねにすると濡らして固まった後が丈夫です。 この山は手抜きをしたので一枚のみのところが多々あります。強く押すと壊れそう・・。 ひととおりクロスをかぶせ終えたら、霧吹きでまんべんなく水分を与えます。 この時に指で表面を軽く押さえてやると二枚のプラスタークロスがくっつき 硬化後の強度が良くなります。 10分もしないうちに硬化が始まりますので一気にやっちゃわなければなりません。 |
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プラスタークロスが硬化し乾いたら、下地塗装に入ります。 フォーリッジクラスターを貼る部分はジェッソのテールベルト、地形むき出しとする部分は ダークブラウンとしました。石膏の白い肌を隠すようにたっぷりと塗ります。 |
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いよいよ終盤です。フォーリッジクラスターを貼ります。 山の表面にスチノリを塗ります。フォーリッジは明緑色と暗緑色の二色です。 適当にちぎりどんどん貼って行きます。これも雑誌の受け売りですが、山頂に行くにしたがって 明緑色の比率が多くなるように意識して貼っていきました。 |
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川 |
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ベニヤ板の平らな川底を彩色で表現しなければなりません。 まずジェッソのグリーンで川一面を塗りつぶします。 次に浅瀬・川岸をアクリル絵の具のコバルトターコイズで塗ります。 水を含ませた筆に絵の具をチューブから直接塗り付けて、その筆で着色します。 グラデーションを意識して着色します。 レイアウトの一番奥に位置する川の中央部は水深が深いので、その表現のためにアクリル絵の具 プルシアンブルーを少しだけボカス感じに塗ります。 |
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絵の具が乾いたら石を配置します。 大きな石と小さな石をスチノリで固定します。上流ほど大きな石、下流は小さな石。 小学校で習ったことを実践しました。石を並べながら気が付いた。 「下流・それも比較的町の中に行くと川の水の色が濁っている。」 ということで、ここで下流の川の色を表現すべく薄めた黄土色・白などで着色し濁らせました。 |
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水表現のために樹脂を流し込みます。 今回使用したのは東急ハンズで入手したデプコンというものです。 |
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高透明で収縮率が小さいと説明書には書かれています。 二液混合タイプでかなり「しゃびしゃび」です。完全硬化時間が1日、条件によっては4.5日という代物なので 埃除けをし気長に放置しなければなりません。 |
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乾くと見事に透きとおったきれいな水面が出来上がります。 しかしのっぺりとしていて細長い池のようですので流れを表現しなければなりません。 |
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リキテックスのジェルメディウムを厚めに筆で塗ります。 筆や爪楊枝で川の流れを付けます。 白いものを塗ってしまうことに抵抗を感じますが乾くと透明でいい感じなります。けっこう大胆に塗った方が効果ありです。 |
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白いさざ波の表現にはリキテックスのレジンサンドを使いました。 風景写真を見ながら適当に塗ります。 爪楊枝でこすり付けるといいみたいです。 乾くと乳白色ですが薄く塗るとほとんど透明で効果ありません。 ここもやや大げさ目がいいみたいです。 |
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地下ヤード増設 |
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運転しようとするたびに車両をケースから出して並べるというのは面倒なものです。 ローカル線が好きなのでレイアウトプランも山あり谷ありで走行車両も長くてて4・5両と想定 して建設を始めたつもりでした。当初のプランのヤードもそれ相応のものでした。 しかし少しづつ増備されてきた編成の中には7両というのがあるではないですか?! それらを止めておく場所が無いのです。地上を探しても今更無理です。 そこで地下に設置することにしました。 初期プランの地上ヤードのうちの一番奥を延長しトンネルを入ります。 そのままレイアウトの一番奥まで進み外をぐるりと回りながら坂を下ってヤードへ進む ルートとしました。 ウッドフェンス利用のフレームでありさらにベースラインがかさ上げしてあるので高低差130mmを一気に駆け上がる勾配に なってしまいました。 コレでもヤード内での限界高さが50mm。もっと限界高さが取れないかといろいろ試しましたが これ以上勾配が急になると登ってくれないので諦めました。 現在直線部で7%、コーナー部は5%になっています。 |
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線路は8本最長8両編成が止まれます。なるべく有効長が取れるようにポイントを配置しました。 ポイント操作の簡素化を図る為にマトリクス制御を採用しました。 自分は電気はものすごく苦手意思が強いのでずっと避けてきた領域なのですが、今回地下に設置するために ポイントの状態を目視することも困難なはずなのでなんとしてもクリアしなければならない課題でした。 ポイントマシンやマトリクス回路についてカーサロンモリさんにいろいろ教えてもらいました。 しかしユニトラックでの実例というのは見つからなかったので一抹の不安をいだきつつ、買い慣れない電子部品の 調達を行いました。 ユニトラックのポイントマシン及びマトリクス制御に使用する電子部品は以下です。 |
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ポイントマシン一つ作るのにサイリスタが二つ、コンデンサ一つ、抵抗二つが必要です。 このポイントマシンを7つ量産します。キットを使ってエッチング基盤を作る方法も有るようですが 今回はユニバーサル基盤と言うものを使いました。ただ穴が開いているものや簡単なパターンが あらかじめ作られているものいろいろあるので好きなのを使えばよいでしょう。 今回は7つのポイントマシンが組み込めそうな大きさで穴が開いているだけのものをものを買い求めました。 各電子部品の足を器用に曲げてあっちの穴こっちの穴に足を突き刺しハンダで固定。 そうやって回路を形成していきます。各回路のプラスとマイナスを一つにまとめパワーパックのアクセサリコネクター に繋ぎ込みます。切り替え信号用のプラスコードをポイントマシン基盤から出し、番線選択スイッチのところまで 持ってきて8個のスイッチに分岐。各スイッチからのコードをマトリクス回路に繋ぎこみました。 (言葉で説明しても分からないかも知れないですね) |
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ヤードをレイアウトにぶら下げます。DIY店で売っている金具を使いました。ヤード用のボードは集成材といって 棚板として使われるものです。サイズは300×1800×18を購入しました。 大きさと価格がお手頃、見た目も良いです。 ご覧の様に限界高さが50mmだとこんなです。メンテナンス等は不可能に近いです。。 |
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レイアウト背面のヤードへのアプローチ部です。取って付けた様な、実際取って付けたんですが枠からはみ出して角材を 固定しレールを固定しています。落下防止の壁はまだ付けていません。 番線選択押しボタンスイッチは何処で手に入れたか分からない化粧板(白色)に穴を開けてねじ込んでナットで固定しました。 ちょうどKATOのポイントマシンに付属の番号シールがあったのでスイッチの上にはって置きました。 ポイント切り替えは快適です。しかし脱線は許されない状況に置かれていますので列車の出し入れは慎重を要します。 結構それはそれでスリルがあっていいですよ・・・・・・・。 |
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レイアウト概要 |
レイアウト製作記の内容をまとめたものです。 構想、レイアウトプラン、台枠の製作、路盤工事、山、川、地下ヤード増設、と順を追って書いてあります。 |